院長ブログ
噛み合わせの調整方法
- 2019年11月26日
- 噛み合わせ
「顎関節ー咀嚼筋ー歯」の調和が取れる咬み合わせに、どのような手法で導くのでしょうか。
咬み合わせ治療というと、客観的なデータよりも、主観的な経験・感覚で行われているイメージがあるかもしれません。その場合、結果にばらつきが生じやすいと思います。
確かに、経験・感覚は大切ですが、当クリニックでは、常に同じような結果が得られるように、まずは、客観的なデータ(平均値・正常値)と患者様の状態を照らし合わせて、次に過去の経験などを参考に診療を行っています。
使う器具:材料は、どの歯科医院にでもある一般的なものです。
-
レジン:
歯に足すタイプと、仮歯の作製・調整に使うタイプの2種がありますので、使い分けをします。 -
バー:
出っ張っている部分は少し削って丸め、足りない部分は足して、歯の形態を整えます。 -
咬合紙:
上下の歯が当たっている箇所に色が付きます。 -
スプリント:
PGIでは、まずはソフトタイプを使います。(マウスピースのような形態です)
診断方法は:歯科医師によって大きく違いがあります。ただ、どのような診断方法を使っても結果に結びつけば良いと思います。
当クリニックでは、以下の項目の検査をして資料を集めます。
- フェイスボウによって、CRバイトで装着された模型による咬合診断
- CRとICPとの咬合関係の違い(習慣的に上下の歯をかみ合わせる位置と、筋肉が緩んだ時にかみ合わせる位置の差となります)
- 顎関節の規格的なレントゲン(2Dもしくは3D) 当クリニックでは、寿谷一先生、西川洋二先生、杉元敬弘先生による特許の方法
- 顎運動記録
- 開口量と開口路
- 歯ぎしりの軌跡・強さチェック
- 噛み合わせに深く関係する筋肉チェック 口腔内写真 顔貌写真 アンケート
術式:上記の検査からの診断によって、適切な治療方法を選択し、筋肉のバランスを取りながら、咬み合わせの調整します。
患者様によって状態が違いますので、回数は全く異なりますが、ある程度調整が進んだ時に、再検査・再評価を行います。
結果を見て、次のステップに進むことになります。
(また、検査の結果によっては、同様の咬み合わせの調整をさらに行うこともあります。)
次のステップとは、大きく分けて以下の3つになります。
- 咬合調整を終えて治療を終了できる場合
- 咬合調整の段階は、ほぼ終了し、補綴治療・矯正治療・インプラント治療などに進む場合
- 難症例の場合は、顎関節にさらにフォーカスを絞り、ハードスプリント治療・咬合調整に進む場合
となりますが、患者様ごとに異なります。
このような、治療のフローチャートに基づき、一段階ごとに、再検査・再評価をしながら、咬み合わせ治療を行うことで、一人でも多くの方のお役に立てるように日々診療に臨んでいます。
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