院長ブログ
ジルコニアセラミックの14年経過症例
この患者様は2003年(当時65歳)に歯周病が主訴で来院されました。
この方は、
- 全顎的な歯周病治療を行なった上で、
- 噛み合わせ改善と奥歯でしっかりと噛めるようにするために、インプラント・ブリッジによる補綴治療
を行なっています。
POINT
歯周病治療の際には、治療のゴール設定を
- 10年以上の長期提な予後を目指し、メンテナンスで対応する
- 経過を見ながら、継続的に治療を行なって行く
など、どのような基準にするかということによって、保存・抜歯の基準が異なります。
最終的には、補綴治療を行いますが、この方は、
アンテリアガイダンスの付与(上顎前歯の舌側面が下顎の動きを誘導する作用)
が課題でしたので、下顎前歯の噛み合わせの修正が大事なポイントになりました。
また、長期的な予後を目指して、全顎的な歯周病の外科手術、抜歯、最小限のインプラント治療を行いました。
ブリッジで対応できる箇所は、インプラントを選択せずにブリッジによるセラミック治療を行いました。
当時、ブリッジには、メタルボンドと呼ばれる作製方法が一般的で、強度が要求される内側のフレーム部分には、メタルの素材が使われ、その外側にセラミックを築盛するという構造でした。
一方で、ジルコニアの臨床応用が日本でも可能になり、セルコンと呼ばれる機種が確か日本全体で3台導入されました。
この患者様では、強度の点から、右下奥歯のブリッジ、下顎前歯部のブリッジ、左上下のインプラント部のクラウンの4箇所にジルコニアでフレーム部分を作製し、その上にセラミックを築盛する新しい方法で補綴治療を行なっています。
(右上の奥歯は、メタルボンド、上顎の前歯は他の方法のセラミッククラウンです)
2003年に治療が終了し、現在、14年が経過しています。
この間に、継続的なメンテナンスを行い、小臼歯部分への虫歯治療、一部の上顎前歯のセラミックの補修などを行なっています。
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