院長ブログ
歯根破折のために抜歯が必要になった方
- 2024年10月4日
- 症例紹介
根管治療を受けた歯における歯根破折の発生率は、5%〜15%との報告があります。また、メタルコアでの補強の場合、材質的な硬さも影響し、破折の発生率が高くなるとも言われています。
破折が起きると、続いて炎症が起きるので、歯茎に腫れ・痛み・違和感・排膿などの症状が現れて、その際に歯槽骨の吸収も起きてしまいます。
そのために、症状の改善が見られないまま、歯を残しておくと、歯槽骨がさらに吸収し、隣在歯にも悪影響が及びます。残念ながら、抜歯を余儀なくされることがほとんどです。
抜歯後の治療方法は、インプラントかブリッジ、もしくは義歯になりますが、今回は
①前歯で審美的な要素も大きいこと
②隣在歯(犬歯)は、削ったこともない健康な歯なのでブリッジのために削り、歯の寿命が短くなるリスクを避けたい
ということが理由で、インプラントでの治療を行うことになりました。
今回は、「破折の影響による歯槽骨の吸収」と抜歯後に必ず起きる「生理的な歯槽骨の吸収」の二つの影響があり、「セラミックの歯の形」と「歯肉ライン」を整えることが難しい状況でした。
患者様が前歯のインプラントで気にされることに、「歯が長くなった」「歯茎が黒くなった」ということをよく聞きます。
そこで、
①インプラント手術に際しては、歯槽骨のボリュームの回復のためにアパタイトによる骨造成を行った上で、
②セラミッククラウンの作製の前に仮歯による歯肉ラインの形成を時間をかけて行ないました。
治療を行なったのは、2本ですが、噛み合わせという機能の回復だけでなく、以前から口腔内に装着されているセラミッククラウンと馴染むように歯の形態と色を調整しています。
インプラントはストローマン社の製品を使用し、アバットメントはカスタムで作製し、ジルコニアフレームにセラミックを築盛したクラウンを装着しています。
前歯は、咀嚼機能だけでなく、人と会うという社会生活にとってなくてはならない存在です。
また、その人のアイデンティティにも深く関わります。
時間をかけて全ての手順を行うことで、長期的にも予後がよい審美的なインプラント治療が行えると考えています。
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