私は歯医者として３０年、東京で開業して２７年になりますが、７〜８年前までは、噛み合わせ・歯並びの改善のために矯正治療が必要なときは、ワイヤー矯正が基本で、インビザライン矯正では歯がきちんと動ききれないと思っていました。
 
ところが、マウスピース矯正が徐々に進化して行き、噛み合わせが悪い方（かなり難しいと思っていた症例）での対応ができるようになってきたことがわかり、考えが変わりました。
その一つの理由に歯の表面につける突起の開発やビッグデータからの予測実現性であると感じていました。
ですが、歯に対して、得意とする動きと、そうではない動きがあることもわかり、マウスピース矯正はもの凄く進化しつつも、歯並びの悪さ・噛み合わせの悪さによっては治療の限界もあるのではとも考えていました。
 

さらに、現在では、マウスピースによる単独的な矯正治療ではできないことでも、ゴム掛け・矯正用のミニインプラント・部分的なワイヤーとの併用・コルチコトミー・急速拡大装置など、様々なことを併用・組み合わせることで、高度な噛み合わせ治療ゴールを目指すマウスピース矯正が可能となってきました。
 
今では、歯並びや噛み合わせの改善のために、矯正治療が必要な時は、ほぼ１００％近くをマウスピース主体の矯正治療で対応させて頂くに至りました。
 
私たちの「グランプロデンタルクリニック銀座」の理念には、「最良の歯科診療の追及と提供」という考えがあります。ですので、常に最良のマウスピース矯正治療の方法を追求していたときに、インビザラインとはタイプの違う「クリアコレクト」に出会いました。
 
2022年から臨床に取り入れ始めて、現在、私たちは、クリアコレクトの方がインビザラインタイプより歯が動くと実感しました！！！
 
その理由の一つがマウスピースのデザインにあります。インビザラインタイプより、トリムラインと呼ばれる外側の縁歯の境目をクリアコレクトでは２ミリほど延長しています。
このことによって、１本ずつの歯全体に矯正力が伝わりやすくなっていたのです。
 
こちらが研究室でのデータになりますが、クリアコレクトの方がインビザラインタイプよりも歯に効果的に力が伝わることを実証した文献になります。
 

 

▲①インビザラインタイプ
 

▲②クリアコレクト
 
色がついている部分に力が伝わっています。
①では歯の先端部分にのみ力が伝達されていますが、②では歯の先端部分から根元部分まで全体的に力が伝達されているのです。
 
さらに次のデータでは、マウスピースによる歯列に対する全体的な保持力の違いです。
インビザラインタイプとクリアコレクトのたわみ具合を比べてみると、クリアコレクトの方が明らかにしっかりとした硬さがあります。
このことが、実際の治療では、マウスピースが歯にしっかりはまり、効果的に歯を動かすことにも繋がっていると感じます。
逆に、保持力が小さいと、歯列全体に想定した力が伝わりにくく、マウスピースがたわんで歯がなかなか動かないという感覚があります。
その保持力の差は2.5倍というデータがあります。
 

 

 

 
さらに、マウスピースは1枚のシートから作製するメーカーもありますが、クリアコレクトは3枚のシートを合わせた特殊なシートから作製されています。それによってマウスピースによって歯に加わる力の持続期間が長いのです。
このことによって、歯への持続的な力の伝達や年齢を考慮して1枚のマウスピースの使用期間を長くする場合にも有効だと考えています。
 
結果的にクリアコレクトはマウスピース1枚あたり、最大0.3mm、３度までの移動が可能と言われています。
（これはインビザラインタイプより大きい数字になります）
 
他にも、2006年に会社が設立されていて、マウスピース矯正の業界で世界２位のシェアを持っているなどの信頼できる理由は、今回ご紹介しきれない理由はまだあります。
 
従来の方法も凄く良いと自身がありますが、クリアコレクトがさらに非常に効果的なツールであることが、臨床を通じてもわかりました。
 
何を使うかということも大切ですが、私たちの行なっている「顎関節も含めた一口腔単位の噛み合わせ治療」に際して、患者様ごとに一番効果的な治療計画を立てて、その治療を患者様に寄り添いながら実際にさせて頂くだと考えています。
 
「最良の歯科診療の追及と提供」を念頭に置きながら、皆様のお役に立てるようにグランプロデンタルクリニック銀座はスタッフ全員で頑張ります！