ジルコニア
ジルコニア (じるこにあ)
ここ数年の間に、急速にインプラントの上部構造の材料として使用されることが多くなりましたが、CAD/CAMマシーンの発達が、ジルコニアの普及に一役買っているようです。しかし、スイスやドイツなどではかなり以前から歯科治療で使用され、安全性、有効性が認められた歯科材料です。
酸化ジルコニウム(Zr02)は、一般的にはジルコニアと呼ばれ「模造ダイヤモンド」として知られている名前ですが、その高い強度、優れた耐久性、耐腐食性、生体親和性、安全性から、スペースシャトルの断熱保護財、人口股関節の球状骨頭部、F1マシーンのブレーキディスクなど工業から医療まで様々な用途に用いられています。
2005年に、歯科界において、国内初の厚生労働省の販売許可を取得したジルコニアは、セルコンジルコニアで、スイスのチューリッヒ工科大学とドイツのデグデント社によって開発されたメタルを使わないオールセラミックの補綴材料です。当院では、それ以前から、インプラント治療にジルコニアを応用しています。
セルコンジルコニアの強度は900Mpaですので、従来のセラミック製品の約2〜3倍の強度です。ジルコニアは金属より硬いにもかかわらず、重さは金の三分の一程度と、軽いのも特徴の一つで、海外では【白いメタル】と評されています。つまり、オールセラミックの弱点だった強度の問題を完全に克服し、通常のメタルボンドと変わらない強度を実現しました。(金属床でよく使われるメタルのコバルトクロム相当の強度です。)
今までは不可能だった臼歯部ブリッジにも対応でき、口腔内全てをオールセラミックで治療することが可能です。
また、強度だけでなく、金属アレルギーの患者様にも安心して適応が可能です。金属アレルギーは、口腔内の歯科治療のつめ物の金属成分が、長い間に口腔内に溶け出し、体に取り込まれてアレルギー反応を起こしてしまうことが原因です。
患者さんによっては体の皮膚に影響が出ることがありますが、もっとも多いのは、手や足の裏に水泡や膿をもった膿疱ができる症状で、次いで、衣服などに触れている皮膚が炎症を起こす接触性皮膚炎や、発疹、湿疹などが代表的症例です。アレルギー源だと分かった金属を口腔内からすべて取り除きますが、症状が治るまでには数ヶ月から人によっては、完治しない時もあります。アレルギーが起こらないように予防することも大切です。
ジルコニアに関する多数の文献によると、現在までの個々の症例においてアレルギー反応は報告されていませんし、既に装着されている補綴修復物に含まれる金属との相互作用の可能性もないからです。
セルコン ジルコニア セラミックスを使用して製作した修復物は、天然歯に近い審美性を有します。メタル セラミックスの治療では、修復物から金属イオンが溶け出しマージン部が黒く変色する場合もありますが、金属を一切使用しないセルコン ジルコニア セラミックスでは、マージン部分の歯肉も健全な状態のまま審美性が保たれています。
衛生面では、酸化ジルコニウムは純チタンと比較して表面性が滑らかなため細菌の付着(プラーク(歯垢)の付着)が少なく、清潔さを保てます。
しかしながら、ジルコニアもセラミックも時間の経過ともに強度は下降して10年ほどで半減してしまいます。ですが、もともと強度の高いジルコニアではいくら半減しても従来のセラミック(アルミナポーセレン)よりも5倍以上の強度を保ちます。
将来的には、フィクスチャーにジルコニアを材料として使用したものが出てくる可能性もあります。現在は、まだリサーチの段階です。
このように、利点と欠点を十分に理解してインプラント治療に応用すると非常に効果的な材料ですし、今後さらに歯科治療で使用される割合は多くなるでしょう。
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